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ワイヤのインダクタンス


幅広の導体のインダクタンスの記事で書き忘れていたことを追加します。

高周波で、インダクタンスを小さくしてグラウンドに落とすときは幅広の導体を使ってその端から中へ入ったところにつなぐことを書きました。
何らかの都合で、幅広の導体が使えないときは、ワイヤでもいいですから、何本かを場所を変えてつないでおきます。

見てみましょう。
0.2mm の幅で、0.2mm の厚さの銅ワイヤを 15mm 用意します。 これを、幅 16mm 、奥行き 30mm、高さ 60mm の金属箱の中程に浮かべ、そのインダクタンスを計算してみます。

右の図は 5mm 間隔で 3 本並べたときの様子です。 緑色が銅で、茶色は理想導体です。

いろいろなケースを用意します。

 A 1本だけ
 B 5mm 離れて 2 本
 C 10mm 離れて 2 本
 D 10mm の中に 3 本(右図)
 E 10mm の中に 5 本
 F 10mm の幅広導体(参考)
 G 20mm の幅広導体(参考)


全部計算して絵にしてみたのが下の図です。 横軸は右に行くほど空間に導体が入っています。
周波数は 500MHz 以下にして、箱やワイヤの共振を避けて計算しています。 (最低共振周波数は、箱の高さ方向の 2.5GHz です。)




どうですか?
1本だけではかなり高いインダクタンスを持ちますが、2本にするととたんに低くなることが分かります。 それも線の長さ程度離してやると良さそうです。 2本あると、その間の空間では磁束が反対方向になる結果、磁束密度が下がるのが原因です。
3 本から 5 本になるとさらに少し下がりますが、1 本から 2 本になったときの様な劇的な下がり方ではありません。

5本にもなると同じ程度の幅の導体と勝負ができるぐらい下がりますね。

半導体チップからパッケージへのワイヤボンディングでは、このように何本もワイヤを張って、グラウンドや電源ラインのインダクタンスを下げる工夫をします。
また、マイクロ波を扱うプリント基板では、スルーホールを2つ並べて空けることを行います。