Twin-T

ツインティー (Twin-T) というのは、簡単にノッチフィルターを作るときによく使われる回路です。 右の回路です。 2つの T 回路の中央はそれぞれ半分のインピーダンスの枝で落とします。
その周波数特性を計算してみますと、実に狭いノッチが実現できることが分かります。 下の図です (正規化されています)。 信号源インピーダンス Rs は 0 として計算していますから、それがはずれるとノッチ深さは稼げません。

よくよく見るとノッチは狭いのですが、その周辺の周波数ではけっこう大きな減衰があります。
この回路を使って歪み率計を作ると、2倍の高調波のところで -9.09dB となって、-65% というとんでもない誤差が現れてしまうことになります。 ちょっと問題ですね。
そこで、出力の一部をもらって、T の下側のエレメントに正帰還をかけてみることにします。 下のような回路になります。

少々ややこしい計算になりましたが、周辺の周波数で持ち上げることができました。 下の特性です。
帰還量は少なくて良いと思ったのですが、かなり大きな量になりました。 OP2 の出力インピーダンスは 0 としてあります。 右側は周波数を拡大したところです。
| k | error (dB) @ ω=2 |
| 0 | -9.09 |
| 0.2 | -7.44 |
| 0.4 | -5.16 |
| 0.6 | -3.30 |
| 0.8 | -1.09 |
帰還量と第2高調波での減衰量の関係は右の表のようになりました。
0.6 程度返してやっても 3dB も下がっていますね。 でも無いときよりはずっと良くなりました。
ただし、これには代償を払わないといけません。 ノッチが非常に狭くなって調整が難しくなります。 また、ノッチの深さも浅くなります。
さらに、フィードバックループの遅れが導入されますから、高い方の周波数でうまく動かなくなります。 Cc は少しでも補償しようとするものです。
これには特許があるかもしれませんが未調査です。
[関連記事]
ノッチ・フィルターに関しては、アクティブ素子を使ったベインター・ノッチの方が良い特性をしています。
その記事はこちら==> Bainter Notch
