MastHead

-3dB/Octave の RC 回路



昔作った -3dB/oct の RC 回路網がノートの片隅から出てきましたので、それを掲載します。 右の回路です。  高い端の周波数で上向きの誤差にならないように、単体のキャパシタを追加して 6 段にしています。
-3dB/oct は -10dB/dec に相当します。 ピンクノイズを作るときに使えるかもしれません。

eout 側の負荷にある入力インピーダンスが無限大ではないでしょうから、その時は入力端子直後の 1 の抵抗値を適当に大きくしてください。  次段の入力抵抗と並列にしたときの値が 1 になるように。
また、ein 側に信号源インピーダンスがあるときは、その分だけ小さくしてください。
同様に、右端の容量 1 も浮遊容量分を差し引いてください。

カーブは以下の通りです。
4桁のバンド幅をカバーしています。  誤差は p-p で 0.14dB に収まっています。 ω=1 での減衰は 22.57 dB です。 

中心周波数を 630 Hz へシフトさせると、可聴周波下限(20Hz)の 1/3 から、上限(20kHz) の3倍までカバーできます。
シフトのやり方は ==>ここ に書いてあります。

ピンクノイズはオクターブ当たりのパワー密度が一定になります。 それに対してホワイトノイズは Hz 当たりのパワー密度が一定になります。  ホワイトノイズをこのフィルタに通すとピンクノイズに変換できます。
聴覚的にはピンクノイズの方がいろいろな試験に使えるようです。



[追記]
え? まだリップルが多い?
なら、これでどうですか。 ここまで精密に出したものは他にはないでしょう。

ω= 1 での減衰は 24.487dB で、リップルは p-p で 0.018 dB 以下です。
上のケースもこれも計算で求めたものではなくカットアンドトライで出したものです。 ですので、妥協が入っています。


[余談]
どうやったかを説明しておきます。
最初悩みましたが、ついに有効な解法方法を見つけることができませんでした。
なのでやっつけ仕事になります。

でもそれだけでは悔しいのである程度方向性をつかむことにしました。
全部で 12 個の変数があります。 この変数の数を減少させることを考えます。
正規化しますので R0=1 としておきます。 これで 11 個。 C0 も 1 とすると対称軸が ω=1 になります。 残り 10 個。

誤差の周波数特性は ω=1 を軸として左右対称とします。 ということは、中央から低い周波数を扱うエレメントと高い周波数を扱うエレメントが対称であることを言っています。   R1*R5=R3^2 としました。 他の C や R も同様です。 これで 4 個減って残り 6 個。
経験から C1*R5 や C4*R2 のたすき掛けの積は 1 に近くなることが分かっていますので、それを 1 にしてしまいます。  そうすると C は自動的に決まり変数でなくなります。 実はこの仮定には弊害があって、リップル量が一定になりません。  まあ妥協します。 残り 3 個。

で、変数を R1、R2、R3 にしてエクセルでグラフを描きます。 W7 での減衰量の位置をエラー 0dB の基準とします。

R3 は主として W7 の位置の減衰量を決めます。  また、下がるとバンド幅が拡がります(R2、R1 の調整後で W1 が左に移動する)から、R3 はバンド幅にも影響します。  バンド幅を 4 桁にするときは、減衰が 20dB より1割ほど少ないところから始めます。  つまり 10*log(W7/W1) [dB] より少し下の位置です。

R2 はW5 と W4 でのエラーがどれだけ上になるか(あるいは下になるか)に影響します。 大きくなると下がります。 また W1-W3 も上下に動きます。  ここでは W5 を 0dB に合わせます。

R1 は W1、W2、W3 の上下位置を決めますが、それだけでなく W4 と W5 でのエラー量にも若干の影響を及ぼします。  その方向と量は必ずしも一定とは限りません(方向が逆になることもある)。 W3 を 0dB に合うようにします。  W5 が上下していますので R2 を動かして W5 を 0 にします。 これを繰り返して両方を合わせ込みます。

ここまで来て W1 を見ます。 エラーが 0dB より下ならバンド幅が足りないので R3 を少し下げてやり直しです(逆の時は反対に)。

こうやってカーブの要点をモニタしながら3つの変数を動かしてフィットさせていきました。


[2014/8/11 追記  **重要**]
Forum でご助言をいただきました。  等リップルの回路常数を提供していただきましたのでご紹介します。 
フォラムには解法についての概説も書き込みがあります。

左図です。 私がついに達成できなかった値です。

w=1 でのゲインはそれぞれ
 -22.566dB
 -24.272dB
です。


同じ方から、もう一つ提案がありました。 E6 系列のキャパシタを使った可聴周波数帯の -3 dB/oct フィルターの常数です。 4 decade をカバーし、631Hz でのゲインは -22.77 dB です。  これは実用的に使えます。




[2019/8/22 追記]
回路定数はかなり精密な値を要求しています。
Forum にお越しの方から、E96 系列相当の精度の抵抗値を2パラや3パラで実現する計算を行うサイトを紹介いただきました。
https://blogs.yahoo.co.jp/gggravity/archive/2017/8/20
http://kmnk3.homeip.net/reg.html
です。  後者についてはクッキーを許可しておくと最初に入力したリストが記憶されますので便利です。