グラウンドとは何か、その1
グラウンドにはいろいろな意味があります。
いまからそれをひとつひとつ見ていきますが、その前に重要なお断りを:
グラウンドは「グランド」ではありません。
Ground は大地という意味です。 それに対して、「グランド」 (Grand) は「偉大な」という形容詞です。
日本での一流の技術雑誌や、セミプロの方の書かれた本の中で、しばしば「グランド」と表記されているのを見るとややがっかりさせられます。 ある半導体メーカーのスペックの日本語版がグランドと表記しています。 いい半導体を造っているのに翻訳者が専門家でないのでしょう。 残念なことです。
Ground は大地という意味です。 それに対して、「グランド」 (Grand) は「偉大な」という形容詞です。
日本での一流の技術雑誌や、セミプロの方の書かれた本の中で、しばしば「グランド」と表記されているのを見るとややがっかりさせられます。 ある半導体メーカーのスペックの日本語版がグランドと表記しています。 いい半導体を造っているのに翻訳者が専門家でないのでしょう。 残念なことです。
定義と記号
グラウンドは、アース、接地、とも言われます。 正確には、回路ブロックの中の多くのノードの電圧を表現するときの基準となる電位(参照電位)を持った導体のことをいいます。 必ずしも地球につながっているとは限りません。 その導体につなぐ行為のことをグラウンディングといいます。 日本語では「接地」「接地する」といいます。 「アース」「アースにつなぐ」でもいいのですが、どういうわけか最近はあまり使われなくなってきました。
グラウンドは、しばしば本当に大地であったり、大地につないでも回路が正常に動作することがあります。

記号はいくつかあります ここに上げた以外にあるかも知れません。
A は大地につなぐときに使われます。 JIS や IEC では機器の接地端子の表示にはこれを使うように指示されています。 B と C は等電位の導体につないでいることを表します。 プリント基板上のグラウンドラインやグラウンドプレーンに使います。 D もそうです。 E はシャーシグラウンドで、金属筐体に使います。 自動車の車体もそうです。
このサイトでは、小さな回路ブロックを記述することが多いので、主に D を使うことにします。
多くの意味

図1に勝手に位置決めサーボの回路をでっち上げてみました。 グラウンドの説明が目的ですので、このままでは動かないでしょうけど、我慢してください。
青い数字でいくつかのグラウンドにマークを付けてあります。
グラウンドにはたくさんの目的があります。例えば:
-感電防止
-空中線の帰線
-電界シールド
-電源の帰線
-信号の帰線、
-マイクロ波信号の電界の終端面
-信号の参照電位
等が思いつきます。
図の中では、1はディジタル信号の参照電位であり、帰線です。
2,5,7,8は高周波信号のバイパスで、信号の帰線です。
3はディジタルグラウンドで、信号の帰線であり参照です。 1と対になります。
4はアナロググラウンドで、出力信号の参照です。 6と対になります。
6はモータにかかる電圧を分圧する参照電位です。
9はモータに流す信号電流の帰線です。 12や15に向かって大電流が流れますので9, 12, 15の間は低いインピーダンスになるように気を付けます。
10は感電防止のグラウンドです。
11は商用電源とこのユニットの間を高周波的に分離するための電界シールドのグラウンドです。
12は電源の直流電流と交流電流の帰線です。 同様に15は交流電流の帰線です。
12と15の間はとても大きなリップルが流れますので、この絵のように別々に落とすことはせず、太い線で結んでからキャパシタ側でグラウンドします。 トランス、ダイオード、平滑キャパシタと結ぶ2つのループはその物理的な面積が小さくなるように配線します。(フラックスをばらまかないため)
13、14はダイオードが逆にバイアスされる瞬間に、PN接合にキャリアが存在している期間に流れる電流によって発生するノイズをシャントして消すための高周波バイパスです。 ノイズ信号の帰線です。
16はサーボの参照信号を与える際の基準となる電位です。 ここは、4や6と接近して配置する必要があります。
もちろん、上の分類自身、切り口が違いますから、1つの記号が2つ以上の意味を持ち得ます。
この絵には描けませんでしたが、マイクロストリップラインの下に存在するグラウンド面は、マイクロ波の電気力線の終端面であり、参照電位です。
昔のラジオで、アンテナとアースの端子があるばあいは、空中線から来る高周波電流の帰線でもあり、参照電位でもあります。
アナロググラウンドとディジタルグラウンド
アナログとディジタルが混在した回路基板では、それぞれののブロックのグラウンドを分けて配置するなどの工夫がいります。 その話は「その2」で。
