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Vcc は交流的には GND、しかし (その1)


電源ラインは交流的にはグラウンドと等価になります。
しかし、よく注意しないと、必ずしも等価とは限らないときがあります。

図1を見てください。
NFB の電圧分割回路の C はグラウンドに落とした時と、Vss につないだときとでは、理論的には同じです。
しかし、

1. キャパシタにかかる電圧は違います。 従って:
    耐電圧が異なるキャパシタが必要です。 また、
    電源On/Off時の過渡現象が異なります。

2. Vss にノイズが乗っているときはオペアンプの - 入力はそれを参照してしまいます。 
ですから、 IN の信号がグラウンドを参照しているか、Vss を参照しているかによって、逆をやるとノイズの影響を排除できなくなる場合があります。
もちろん Vcc を参照している入力信号を取り扱うなら、C は Vcc につなぐ必要があります。

ちょっと凝った回路を見てみましょう。
図2に、VCO を設計してみた回路をお見せします。

Q1と Q2 は同じ量の電流 I1 を発生させる電流源で、R0 と R1、R2 によってその電流値が決まります。 R1 R2 を外付けしてポテンシオメータにすると、パネルから電流値を制御できます。
Q3-Q6 は Wilson 型のカーレントミラー回路で、Q4,5 が並列になっていますから、I1 のちょうど2倍の電流を I2 として発生させます。 
最初はコンパレータは出力が High とします。 Q6 が Off なので I2 はありません。
I1 は C を直線的に充電します。 
コンパレータは大きなヒステリシスを持ったものです。 電源電圧の 1/4 と 3/4 あたりでトリガされます。
C の電圧が上がって、3/4 に達し、コンパレータをひっくり返すと Q3 のコレクタ(Q6のベース)は GND から放たれ、I2 が発生します。 
C は I2-I1、すなわち I1 と同じ量で反対向きの電流で直線的に放電し、1/4 になったところでコンパレータは再度元に戻ります。

これを繰り返し、C の電圧は三角波になります。
コンパレータの出力は矩形波になります。

R1 と R2 の比を変えてやると周波数を動かすことができます。

この回路の原理は、むかし Intersil の波形発生 IC 8038 というものにも使われていました。 最近では MAXIM の MAX038 に引き継がれていましたが、これも廃版になってしまい、今は後継 IC が見あたりません。 おしいですね。

さて、
図2 の A 点に注目します。ここにノイズが入ると出力にジタが乗ることは容易に推測できます。 パネルまで線を引き回すのでしたらなおさらです。 また、 Vcc にノイズが乗っていると、ほぼ R2/(R1+R2) の電圧分割分だけノイズを受け取ります。  どうしましょうか、、、、

たいていの場合、図3のようにデカップリングをいれてノイズを押さえます。 まあ、それほど悪くないアイデアでしょう。

もう少し頭を働かせます。
Q1 Q2 が生成する I1 は何で決まるか考えてみますと、ベース電圧が Vcc からどれだけ落ちているかによって決まるわけです。 参照電位は Vcc なわけです。 ノイズは、Vcc に逃がして、そことの相対値が動かないようにしてやることが必要です。  ですから、図4の様に Vcc との間にデカップリングを入れるのが正解です

なかなか気が付かないことです。