R と C を使った正弦波発振器、または Tepin 発振器
フィルタを応用したものに、正弦波発振器があります。
今回は、理論的には面白いけれども、なかなかうまくいかない発振器をご紹介します。 話題提供ということで、実装に関しては皆様方の今後の奮闘をお願いします。
この発振器は、可変抵抗が1つですむ(らしい)というのが利点です。

RCを使った正弦波発振器は、負帰還回路と正帰還回路と増幅器でできているのが一般的です。 また、そのままでは飽和して正弦波でなくなるので、振幅を制限するための回路を追加します。
サイン波にするには、正帰還側を狭帯域のバンドパスフィルタにするか、もしくは負帰還側を狭帯域のバンドストップフィルタにしてやります。 そして、位相を合わせたうえで総合的な増幅率を1よりわずかに大きくしてやればいいわけです。

歪み率を小さくするにはバンドパス/バンドストップのQを大きくし、利得制限回路の出力が発振波形の影響を受けない様な工夫をしてやります。
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さて、
左の図の上側にあるのは簡単なバンドストップ回路で、ブリッジTをスイッチトキャパシタで実現したものです。 左の図の下側の H(S) にそれを入れた回路は、ロシアの Tepin という方が考案したものです。 振幅制限はまだ書き込んでいません。
ω0 の式はRとCだけで決まりますから、可変抵抗は1つですみます。 また、伝達関数 H(S) の中には R が入ってきませんから、スパンの広い発振器ができそうです。
なお k はスケーリングファクタです。 スイッチは目的周波数に比べ、 100倍程度高い周波数で切り替えます。

上のグラフでは k を変えたときに H(S) がどのように変化するかを ω を横軸にとって計算してみました。 √10 程度で 0.17 まで落ち込んでおり、良い特性になりそうです。

ちょっと都合で1つの可変抵抗だけで周波数を動かす発振器がほしかったので早速組んでみました。 右上の回路です。 発振の確認用ですので振幅制限はまだ入れていません。
4011 で 1.16MHz の RC 発振器を作り、4027 に入れて 580kHz の 50% duty のパルスを作ります。 それを 4066 のアナログスイッチのコントロールに入れます。 両方が同時に ON にならない様に少し工夫しました。
これが、まあ、うまくいきません。 右は R を 10k にして 1kHz で発振させたところですが、R2 を 1.5k まで落とさねばなりませんでした(R1=1k です)。 R を 100k にして 100Hz までおろそうとしましたができませんでした。 H(S) が R の影響を受けています。 スイッチが絶対同時に ON にならない様にさらに工夫しましたがだめでした。
クロックを 1/10 にしてやると 100Hz も発振しますので、スイッチ周りの問題であることが想像できます。 単純な素子の 4016 に換えてみましたら、ましにはなりましたが解決には至っていません。
とても面白い回路なのですが、しばらく棚上げとします。 興味のある方はチャレンジしてみてください。
どうも私はスイッチトキャパシタの回路は苦手です。 ノイズの処理や、エリアスの配慮や、損失など気を回すことが多すぎます。
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「うまくいかなかった」 という報告だけではおしかりを受けそうなので、追加情報としてRCを使った正弦波発振回路の例を列記しておきます。 いま頭に浮かんだものだけですのでまだあるかもしれません。
上の回路の基本形は、左の上から2つ目の Bridged T です。
右の最後のものは私が思いついたもので、まだ実験していません(動く保証はありません)。 リミタは 1.8V の LED を2つ逆並列にしたものでいいでしょう。 Q は 5 辺りが無難です。 R5 は発振停止ぎりぎりまで大きくします。 クロックは 1MHz 以下で使います。 7490 の半分が余りますが、出力に入れてバンドパスにでもすれば歪みの改善ができます(たぶん)。 clock passthrough に関しては、周波数が固定ですとフィルタで落とすことができますが、可変ですと難しくなります。

