フォトカプラに注意
自動制御の機器で、2つの回路ユニットをつなぐときに絶縁性の関係でフォトカプラを使うときがあります。 右のような回路です。以前に、この回路を使ったエンジニアがうまく動かなくて困っている場面に出会ったことがあります。 これは問題持ちの回路です。
多分、最初実験したときはほとんどの場合動くでしょう。 しかし、でき上がってケースの扉を閉め、実際に稼働を始めると問題が出たり、月日が経って梅雨時になったら動かなくなるといった、病持ちの回路です。
原因は LED を通って若干の漏れ電流が存在することです。 駆動トランジスタのコレクタには、ICBO を起源とする微量の電流が流れています。 また、回路基板や配線材のリークもあります。
LED は 10mA 程度で使うのが定格ですが、数 uA 程度でもわずかに光が出ています。 受光側のフォトトランジスタもわずかな光に感応しますので、受信回路のインピーダンスが高いと、On になったと勘違いされることがあるのです。
都合の悪いことに、この問題には不確定要素がたくさんありますので、On になったり、Off になったりして、デバッグがやっかいな現象となって現れます。 間欠故障 (Intermittent problem) です。
ですので、設計段階から問題を持ち込まないような回路にしておきます。 例えば次の例でよいでしょう。 10k でリーク電流をバイパスさせて、LED に電流を通さないようにします。 ついでに受け側をシュミット型にしておけばもっといいでしょう。 10kohm の上側は 12V ラインにつないでもかまいません。

LED に流れる電流を下のグラフの様に予測してみると、5桁から8桁ほど少なくなって問題が解消されることが分かります。 仮定として On 時にはシリーズ抵抗 1kohm で 10mA 流すとし、Off 時の漏れ電流は 0.1uA としてみました。 LED は GaAsP で計算しています。
