Canon 互換バッテリーの比較テスト
Canon のカメラの電池に LP-E6 というものがあります。 適応機種が多いので、いろいろなメーカーから、この電池の互換商品が販売されているのが現状です。
ところが、ものによってはすぐに残量が無くなってしまうものや、実際の容量が小さいのに公称の容量がやたら大きいという良心のない会社も見られます。
手持ちの電池が9つになって、持ち出した時に不具合を起こしても、どれがどれかということが分からなくなってきました。
どれを捨てるべきかを決めるため一斉に検査することにしました。
その結果を記録しておきます。
注意: 以下のサンプルで、A、B、C については評価の対象とはしないでください。 参考データです。 理由は以下の通りです。
A カメラ購入時の付属品で、劣化が進んでおり、カメラの電池状態表示では1目盛となっています。(3目盛が正常)
B 昔、5D2 の購入時に予備に購入したものですが、劣化がやや見られます。 電池状態は2目盛です。
C 古い Rowa の製品で、以前の 5D2 では正規品と同じように使用できたのですが、5D4 ではできなくなりました。
自作の充電器で充電し、カメラも「リスクありで使用」の状態なので、劣化度の目盛は信用できません。
そのほかのものはどれも3,4回しか使っておらず、劣化度は3(正常)です。
放電特性
評価の対象となるブランドは、WELLSKY、ROWA、POWEREXTRA の3つです。 A、B のCanon も参考として掲載しています。
自作のダミーロードを使って1分毎の電圧をモニターしたものが次の図です。
ロガーの分解能が 50mV なのでギザギザのグラフになっていますが、我慢してください。
驚いたことに、劣化が見られる Canon の電池はずいぶん健闘しています。
Powerextra の電池はちょっとユニークな特性で、放電が進んでも電圧が落ちにくい特性です。 これは、持続時間は短くても容量的には大きくなります。
負荷によりますが、定電流を引くような負荷ですと持続時間が稼げますし、定抵抗や、今回のダミーロードのように dI/dE が抵抗より急な特性の負荷ですと、持続時間では不利になります。
グラフから分かることに、カットオフ電圧があります。 過放電の防止のため、どの DUT も 5.2V から 5.9V のどこかで電圧が出なくなっています。
ダミーロード
使用したダミーロードの回路は下の左側のようなものです。 意図しているのは、過放電を防止するために、5V を割ったら電流をとりださないようにしていることです。
中国製のものの中には過放電の保護回路が入っていないことがあるかもしれないので、その用心のためにこうしました。
しかし、後でわかることですが今回の DUT は全て過放電を防止する特性でした。 わかっていれば 20Ω 10W の定抵抗を使っていたところです。
そうすればややこしい数式を考案しなくても済んだでしょう。
500uA の電流計は、単に電池がちゃんと接続されていることの確認用で、測定用ではありません。
下の右側のグラフはダミーロードの特性です。 室温を一定にして、温度的にも安定になるように測定したのが青のプロットです。
それを補間するような数式を考案して使用します。 発熱による VBE の変化は織り込み済みです。 それが赤の細線です。(下記注)
この数式を使って電圧を電流に換算して電荷量を出します。
容量
放電特性の1分毎の電圧から電流値を出し、それを時間で積分すると放電された電荷量が計算できます。 打ち切りは6Vの端子電圧としました。
電荷量(クーロン)は A・sec なので、3600 で割ると AH 値になります。 それが右の棒グラフです。
薄い灰色はブランドによる公称値です。 ものすごくかけ離れた数値を出しているところもあります。
結論
結局、古い ROWA 一個と、新しい WELLSKY 2個を捨てることにしました。 C、D、E です。
下の表はブランドの「良心度」を表したものです。 実際の容量を公称容量で割りました。 NA は Not Applicable(当てはまらない)の略です。
3つの中では ROWA がいいようですね。 昨年の11月ごろに買ったロットです。
| 記号 |
写真 |
実測容量 |
公称容量 |
比(良心度) |
被測定素子劣化度/コメント |
| A |
 |
1521 |
1800 |
NA |
1目盛り、劣化が進んでいる |
| B |
 |
1766 |
1865 |
NA |
2目盛り、劣化がやや進んでいる |
| C |
 |
1080 |
1800 |
NA |
(3目盛り、劣化無し?) 古いもの(2011年) 純正充電器で充電できない カメラは純正品として認識しない |
| D |
 |
1148 |
2350 |
0.49 |
3目盛り、劣化無し |
| E |
1270 |
2350 |
0.54 |
3目盛り、劣化無し |
| F |
 |
1620 |
1800 |
0.90 |
3目盛り、劣化無し |
| G |
1607 |
1800 |
0.89 |
3目盛り、劣化無し |
| H |
 |
1581 |
2600 |
0.61 |
3目盛り、劣化無し |
| I |
1669 |
2600 |
0.64 |
3目盛り、劣化無し |
ここまでのテストでは自己放電特性は測定していません。 時間がかかりますから。
気が向いたら測定して、この記事の中で追加の報告をします。 (測定しないかもしれませんが)
[2018.10.09 追記]
ひと月間放置した後で、同じダミーロードを付け、電圧を測定しました。 C、D、E は破棄しているので測定できませんでした。
そのほかについては、どれも上記の放電グラフの時間で5分ぐらいの所にあり、問題は無いことが分かりました。
ただし、カメラに装着したときに、カメラが表示する残量については大きな差があります。 いま、その量を表示させますと次の通りです。
念のため申し添えますと、充電完了直後でも差がありますから、この数値はあまり気にしなくてもいいでしょう。
A(Canon): 80%
B(Canon): 88%
F(Rowa): 90%
G(Rowa): 88%
H(PowerEx):71%
I(PowerEx):74%
[追記終わり]
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| (9/8/2018) |  |
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Camare Canon Battery LP-E6
作者: 藤原 武 Tak Fujiwara