LED 懐中電灯のお遊び
市販の白色 LED の懐中電灯の色がどうも私の気に入らないことも理由です。 スペクトルが青にするどい山があって、黄色にブロードな低い山がある結果、緑が変な色です。 なので、青を削った電球色にすると眼が自動的に緑を補正してくれることを期待しました。
持っていた古い懐中電灯は設計が良くて、なかなか壊れないものでした。 多分 25 年以上前の製品で、スイッチカバーのゴムが痛んでいただけです。
単なる定電流駆動ですと電源の 6V のうちの半分は捨ててしまうことになり、もったいないですのでスイッチングして少しでも電池を長持ちさせることにします。
LED は電球色の 1W 型 (Avago ASMTMY09) を 70% にディレーティングして使用します。 それでも元のクリプトンピリケン球(4.8V 0.52A)と同じかそれ以上の明るさです。
電流は 230mA 流します。 0.77 ohm の電流検出抵抗を小さくすると、ほぼ逆比例して出力を上げることができますが、LED の最大定格は 350mA ですので注意が要ります。
回路は私の独創ですが、原理はよく見られる、スイッチ、フリーホイールダイオード、L、 C を使った単純な降圧コンバータです。 簡単な制御回路を考案して LED の電流を検出し与える電力を制御させています。 A 点から C1815 のベースに正帰還を行って発振させます。 ちょっと難点は N と P の二段増幅なので 両方が同時に Off に移行する瞬間の反応が遅いことです。 このためやむなく C1815 のコレクタ電流を多めにしています。 P-MOS のゲート容量の電荷を抜くのには負荷抵抗(680)をもっと低くした方がいいのですが、効率との兼ね合いで妥協しています。
電池は単一が4本ですので、7V から 4V まで動くように設計しました。 実際には 3.8V から 10V 以上まで動きます。 エボルタなら連続で 90 時間ほど持つでしょう。
3.8V に落ちるまで明るさはあまり変化しません。 だんだん暗くなるのではなく、突然点灯しなくなくなりますから慌てるかもしれません。
定電流回路の 1.2k は FET のばらつきに合わせて、電流が 0.84mA になるように加減します。
念のため 2P102A には 1.5cm 四方程度の銅板の放熱板を付け、ドレイン/カソード側の 4 pin をそれにベタ半田付けしておきます。
A点電位、4V Case(V=1V/div, H=10us/div)![]() |
A点電位、6V Case(V=1V/div, H=10us/div)![]() |
B点電位、4V Case(V=50mV/div, H=10us/div)![]() |
B点電位、6V Case(V=50mV/div, H=10us/div)![]() |
発振周波数は 4V のときで 32kHz、6V のときで 73kHz でした。 5.5V ぐらいから上では周波数はそれほど変化せず、デューティだけが変わります。
LED で消費する電力の電池から供給する電力に対する割合、すなわち効率は、4V のときで 82%、6V のときで 78% でした。 まあこんなものでしょう。 6V の時の消費電流は 145mA です。
主な損失は、
電流検出用の 0.2V、
L の抵抗 (約 0.25 Ohm)、
ショットキダイオードの順方向電圧降下(0.4V)、
P-MOS の ON 抵抗 (0.2 - 0.5 ohm)
です。
定電圧発生用のバイアス電流と、C1815 の消費電流は無視できる程度です。
ピリケン球のガラスを割り、セメントの一部を削り取り、銅板を切って放熱板として埋め込み、LED を半田付けしました。 フィラメントのあった高さに LED の発光面を合わせています。 LED のパッケージの四隅は削って組み込める大きさにしています。
回路基板を適当なところに押し込み、元の回路の一部を切断して、基盤の回路を通します。
下の写真はできあがって点灯したところです。
実際の発光色は気に入りました。 色温度は電球(3000K)より高く、4000K ほどに感じます。
[後日談、 11/2014]
Cree の XM-L2 の T4 辺りの LED素子 (XMLBWT-00-0000-000LT40E4) を使って、 3W 位を食わせるとずっと明るくできるようですね。 T4 より U2 の方が明るいですが、色は良くないでしょう。 500 円ほどで入手できます。
デバイスは年々改良されますからこういった記事はすぐに古くなります。




