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鉱石のお遊び


今回はお遊びです。

私が最初に電気の工作をしたのは、御多聞にもれず、そのころのはやりであった鉱石ラジオでした。 小学校の4年生頃だと思います。  NHK の放送が聞こえたときは感激したものです。

検波器は方鉛鉱の鉱石でしたので、今から思えば非常に効率の悪い検波だったのではないかと想像します。  でも、どれほどのものか、そのとき以来一度も測定したことがありませんでした。
先日、京都でミネラルフェアがあったので会場をうろうろしていたらミズーリの方鉛鉱 (Galena) をみつけました。 「 ひとつ測定してみてやろう」 と思いついて 500 円で買ってきました。

左の回路で、スコープ上に V/I 特性を描かせます。 V 入力は Invert しておきます。
下の絵のような構造で、方鉛鉱を剥離したかけらを、半田でぬらした銅板上に置きます。  半田は柔らかいので多分どこかでオーミックの接触があるでしょう。

針はゼムクリップをダイヤモンドファイルで研いでとがらせています。
割り箸の片方を安定したところに軸を付けて固定し、ちょうどレコード針をおろすようにして接触させました。

これがまあ、何度やってもうまくダイオード特性が出ません。 200回に1回ぐらいの割でしょうか。  根気よくやって、やっと下のようなカーブが取れました。
こつは、「もっといいところがあるだろう」とよくばらないことですね。 これは小学校の時の経験でもそうでした。

どうもミズーリ産の方鉛鉱は PbS 以外の不純物濃度が高すぎるのか、非常に抵抗値が低く (5-20Ω) て、しかも純抵抗を示す場所がほとんどです。

針の圧力は、私の場合は 20g 程度の軽い方が良かったので、途中で割り箸を軽いものに取り替えています。
又、針の先端をわずかに曲面にしてみましたらとたんにオーミックになってしまいました。 とがっている方がよい特性です。  ということは、鉱石上にある化合物の特定の構造の所だけにダイオード特性があるということですね。


ちなみに、ゲルマニウムダイオードの特性は同じスケールで下の絵になります。

 (H: 200mV/div   V: 200uA/div  Ta=25degC)



もののついでに、手元にあった Pyrite (黄鉄鉱)もみてみました。 ニューヨークのミネラルフェアで買ったものです。  こっちの方は若干抵抗が高いようでした。 しかし、それよりおどろいたことに、特性が逆なのです。  P型なのかな?
方鉛鉱に比べてダイオード特性の出る場所はたくさんあります。 

  (H: 200mV/div   V:100uA/div  Ta=25degC)





[余談]
方鉛鉱にポイントコンタクトしている写真で、台に使っているのは鍾乳石(方解石)を切ったものです。  放射状に、成長した跡が見えます。 滋賀県の山の中の工事現場で掘り出されたものです。

方鉛鉱は、福井県の中竜鉱山で買ってきたものもやってみましたが、不純物が多くていい特性は出ませんでした。



5/21/2006 追加記事

我が家にその他の産地の方鉛鉱がいくつかあるのを思い出して、あちこちの引き出しから持ち出して測ってみました。  すべて H: 200mV/div  V: 200uA/div です。
右は秋田県の尾去沢鉱山の方鉛鉱です。 現地で買いました。
良い特性の場所がたくさんあります。

これはアメリカのユタ州の方鉛鉱です。 現地のおみやげ屋さんで買いました。
どの場所も極性が逆になります。 どうしてでしょう。 ひょっとして方鉛鉱ではないのかな? 色や結晶の形は方鉛鉱そのものですが

ついでに、ユタ州の黄鉄鉱です。 これは他と同様に逆になっています。

アメリカのアリゾナ州の方鉛鉱です。
このサンプルは非常に多くの場所でよい特性を出しました。

長崎県のしげくま鉱山の方鉛鉱です。
検波特性を見せる場所は見つけられませんでした