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1W で 1kW 相当の爆音

たった 1W の電力で 1kW 相当の大迫力の爆音を楽しみましょう。
手間はかかりますが、簡単に実現できます。

右に描いた絵は基本の構成を表します。 これを基準にします。
1Ωのスピーカに 1V を与えますと 1W の入力です。  無響室に入れ、正面 1m の距離に圧力反応型のマイクを置いてその出力を増幅すると 1V が出ているとします。  圧力反応型というのは音圧に比例した電圧を発生させるもので、ごく一般的な小型のエレクトレット・マイクはたいていそうです。  (それに対して音速に比例した出力を得るときは速度反応型を使います。 ベロシティー・マイクがその代表です。)
マイク位置での音圧はいろんな条件(スピーカ効率や空気の密度や)が絡みますので絶対値はわかりませんが、これを SPL1 とします。  この系は SPL1 で 1V が出るように増幅して校正してあるわけです。

さて、
同じスピーカを4つ用意して直並列接続します。 負荷のインピーダンスは元のままです。 右の図です。  立体的に描けませんでしたが、スピーカは横に2つ、高さ方向に2つ重ねて、密着しておきます。
直列にした部分は、ボイスコイルが動くときの逆起電力がありますから、相互に何かの干渉があるのじゃあないか心配される方がおられるかもしれません。  これは無視することにします。(大丈夫です。 上側のスピーカが起電する電圧と、下側のそれとが相殺して、中間の接続点の電位は影響を受けません。)
この状態を考えます。

1つのスピーカだけを見ますと 0.5V の電圧がかかっています。  半分の電圧ですから、電流も半分になって、ボイスコイルは磁界の中で半分しか動きません。  なのでこの一つから出て来る音圧は半分になります。  縦に並んだもう一つも半分だけ同相で空気を押し出していますから、この2つを足すと元の音圧と同じ量になります。 よろしいですか?
それが横にもう一組ありますから(計4つ)さらにその 2 倍になります。
マイク位置の音圧 SPL4 を測る電圧計は2Vになります。  つまり、4つスピーカを使うと駆動電圧は同じでも2倍の音圧を得ることができるわけです。


これを推し進めることにします。 数を4倍にすると音圧が2倍(+6dB)になるわけですから、、、
 1つで   1倍 ( 0dB) これが基準
 4つで   2倍 ( 6dB)  上で説明
 16で   4倍 (12dB)  右の図
 64で   8倍 (18dB)
 256で 16倍 (24dB)
 1024で32倍 (30dB)
横に 32 個、高さ方向に 32 段積み重ねると、なんと 30dB もかせぐことができます。 これは電力にして 1000 倍相当です。  1V で 1Ω ですから、1W の入力だけでした。

やったぜ! でも 1024 個もスピーカの穴あけをするのはずいぶんと手間だし、第一図体がでかくなる。
離れたスピーカ間の移相も問題になる。


もう少し考えてみます。

1V を加えているのは直列に 32 個のスピーカだから、1 個には 31mV しかかかっていません。 電力にして 1mW です。  こんな小さい電力を扱うのですから大きなスピーカは不要でしょう。 右の図のような一円玉より小さいもので十分です。
この図にお見せしたユニットはイヤフォンに使われているものです。
これを32個並べても 50cm もあれば十分収納できます。  穴あけも 10mm の木工ドリルで済みますし、取り付けも接着剤でペタンと張り付けるだけです。

さあ、1W で 1kW の音量のロックでも鳴らせて、コロナウイルスなんかぶっ飛ばしましょう。  (人を集めた3密のロックパーティーはダメ、家で一人で)



 Happy April Fool's Day !

注: 空間のエネルギー量(アコースティック・パワー)のことは考えてはいけません。  考えた瞬間に、せっかく大音量で鳴っているロックの音が突然小さくなる可能性があります。

また、隣のスピーカが押し出す空気圧によって自分のコーンが押し込まれるから、それに対抗する電力が必要、、、などと余分なことは考えないようにしましょう。





点音源でも鋭い指向性を実現

さらに話を進めます。
最初に4つのスピーカを使った思考実験では音源の寸法は変数に入れていませんでした。  つまり4つにしても点音源を想定しています。
疑問に思うときは、マイク位置を 1m ではなく 100m にしても同じ議論が成り立ちますから、点音源の仮定は正しいでしょう。 
スピーカの指向性はバッフル版だけの時は8の字の特性に近いでしょう。  またしっかりした箱に入れると右の図のようなカーディオイドに近い特性になると思います。 真後ろもだいぶあるでしょうけどそれは無視。  どれでもいいのですが、仮にカーディオイドだとして考えます。

全スピーカへの総合供給電力は 1W でしたので、空間へのエネルギー放出は 1W 相当しか出ていません。  しかるに、マイク位置では音圧は 32 倍になりました。  ということは、空間に放出したエネルギーはマイク方向に集中されてくるわけです。
音圧で図を書いてみると、横方向に 32 倍伸びますから、下の図のようになります。

上の図は音圧の図ですから、エネルギー(パワー)の図では横方向が 1000 倍になります。



もともと、4つのスピーカのことを考えたときには、スピーカの出す音圧についての話でしたから、マイク位置は無関係でした。  でも、マイク位置での音圧が 32 倍になるわけです。 どの場所にあっても。
これはマイクの位置を軸から横にずらせても、指向特性がそれに追随して(マイクを追いかけてきて)自動的に向きを変えることを意味します。

(あれ? 2つマイクがあるとどちらを追いかけるんだろう?)



頭が混乱してしまった方は、こういうことに関しての権威である flip-flop さんの この==>ページに丁寧な解説があります。


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#2020Aprilfool
(04/01/2020)武        

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2020 April fool's day
作者: 藤原 武 Tak Fujiwara