星野写真の撮り方


私の 写真のページ 24 で簡単な星夜写真を出していますが、その撮り方です。

用意するもの
  1. カメラ、 ノイズが少なく、長時間露光でもホットピクセルの少ないもの
  2. 気温の低い日(センサーノイズが少なくなる)、 晴天、 街の明かりが届かない場所、 月のない夜
  3. 暖かい服装、 LEDの懐中電灯の大きいものと小さいもの、 ヘッドランプ、 熱い飲み物、 いす
  4. 丈夫な三脚、 インターバルタイマ(1秒休み、5分露光の繰り返しができるもの)、 方位磁石、 水準器
  5. 余分のバッテリー、 またはカーバッテリーから100Vに変換して、それをカメラに供給するアダプタ類
             温度が低いとバッテリーがすぐにあがるので注意。
  6. レンズ、 F2.8 程度で、広角で、シャープなフォーカスのもの、 フード(つゆよけ)
  7. 使い捨てカイロ(つゆよけ)と、それをフードの下部に貼り付けるテープ(建築の養生テープ/マスキン
     グテープがよい)
  8. 露光中は暇になるので、ラジオや音楽プレーヤなど
  9. 帰宅後の作業で、 高速のPC、 64bit の OS、メモリーは 12GB以上、 Photoshop(64bit)



撮影
  1. 北極星の位置を確認する、 構図をきめる、 近景も入れるとよい、 水平を確保
  2. 電池のふたは三脚に据えたまま開けられるように工夫しておくこと、レバーが干渉しないように
  3. フードの下部に使い捨てカイロをテープで貼り付けて、フードの温度を少し上げ結露を防ぐ
  4. シャッタはバルブ設定、絞りは 4、ISO は 200、ホワイトバランスは「昼光」、RAW 撮影
      星の色を出すならもう少し絞るか ISO を 100 にする 
  5. フォーカス(Live View の拡大で)、フォーカスリングのテープ止め
            フォーカスはきわめて正確に合わせるより、星を4ピクセル(2x2)程度に広げる方が色がでる
    正確すぎると飽和して白いままとなるが、4つに分けるとピクセル当たりの光量が落ちて飽和
    しなくなるため
  6. ファインダーをマスクして光が入らないようにしておく。
  7. 露光時間は5分、インターバル(閉じてから開けるまで)は1秒、回数は36回(3時間)
             、、時間と回数は好みにより変更    
            24ページの絵は Fl=28mm ISO=200 F=4.5 SS=30秒 30枚重ね
  8. 最初の一枚は、近景を明るい懐中電灯で照らして写し込んでおく
  9. 夕景も写しておくと使えるかもしれない
 10. インターバルタイマをスタート、 以後カメラにはできるだけ触らない(位置ずれ防止)
 11. ときどき電池の残量をチェックし、少なくなったら素早く交換する


後処理
  1. 一括現像し、TIFF16 の形式で、一つのフォルダに36枚を納める
  2. Photoshop を立ち上げ、/ファイル/スクリプト/ファイルをレイヤーとして読み込み/
     を指定する
  3. 「参照」を使って、フォルダ内の最初の12枚(多いと Photoshop がハングする)を指定し、
  4. 「レイヤーの読み込み後にスマートオブジェクトに変換」にチェック、「自動配置」にチェック
     は入れない
  5. しばらく(1分-数分)してスマートオブジェクトに変換されたら、
     /レイヤー/スマートオブジェクト/画像のスタック/最大/ を指示する
  6. スタックが終わったら、/ファイル/別名で保存/ を使って、たとえば A1.TIF として先ほどの
     フォルダに保存する。 この時、「レイヤーを破棄して保存」する。
  7. すべてのファイルを閉じ、次の 12 枚について同様の作業を行い A2.TIF を保存する
  8. 最後の 12 枚も同様に処理し A3.TIF を作成する
  9. A1、A2、A3、の 3 枚について同じ処理を行い、B1.TIF として保存する
 10. すべてのファイルを閉じ、B1.TIF を開く
 11. ノイズ軽減、ホットピクセル修正、アンシャープマスク加工、周辺減光補正、色収差補正などを行う
 12. 1 秒のギャップを埋めるため、/レイヤー/レイヤーの複製/ で同じ絵を乗せる
 13. /編集/変形/回転/ を指定する
 14. 回転中心のマークを北極星の位置まで移動する
 15. 画像の隅を捕まえ、ほんのわずかに回転する(0.01度で充分)
 16. レイヤーの重ね方を「比較(明)」に指定する
 17. このとき、近景も回転してぼけてしまうので、あらかじめその部分を外して選択しておくか、
     または、最初に撮影した一枚と重ねて、近景部分を抜き出して重ねると良い
 18. C1.TIF として別名保存する。 できあがり




おまけ
インターバルタイマの純正品は非常に高価ですが、Nikon の OEM 元から直接購入できるようです。 3500円程度です。
http://www.amazon.com/Digital-Timer-Remote-Canon-D2000/dp/B003F69JBW/ref=pd_sim_p_1

気温についての注意ですが、半導体のノイズは温度が低いほど少なくなります。 方や、バッテリーはすぐに使えなくなります。  バッテリーのためには、グリップ部分をカイロで暖めながら使うといいのですが、そうすると撮像素子も暖まってノイズが増えます。
これを両立させるためには外部電源を使うことが一番の解決になります。

なお暗電流ノイズと温度の関係は撮像素子固有の係数があって特定はできないのですが、おおざっぱに言って7K下がるごとに3dB下がります(半分になる)。  参考: http://learn.hamamatsu.com/articles/ccdsnr.html

カメラの温度を急変させるとカメラ内部の各部品は温度の異なる組み合わせになりますから、 15分程度はピント合わせや撮影はしない方がいいでしょう。

フードを暖めることは望遠鏡ではやりません。 空気の屈折率が異なるので像が揺らぐためです。  上記の撮影では広角のレンズで、温度上昇は少なく、通過距離も短いので問題になりません。

[注意]
Canon のレンズ EF 24-105mm は 24mm の位置で問題を起こします。 27mm 以上で使ってください。
問題というのは、長時間露出の時に、画面の下の方に赤いスミアが現れることです。 これはレンズ内部で使われている赤の LED からの光漏れです。 メーカでは認識していませんが Canon ユーザの間では広く知られている現象です。
[2017.5.23 追記]
このスミアの問題は、Canon 5D4 の場合、2017年4月のファームウェアバージョン1.04で修正されました。 確認済み。




(11/20/2011)
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Tak Fujiwara